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Channel: トーンカーブ –やもめも
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Photoshop・色調補正パレットとトーンカーブの関係をGIFアニメで。

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なんだかTLがトーンカーブづいてるし。

乗るしかないこのビッグウェーブに!(違

補正パレットの調整はトーンカーブではどうなっているのか

グレイスケールに各種補正をかけて拾ってみました。

明るさ・コントラストパレット

明るさの従来方式

明るさの新方式

コントラストの従来方式

コントラストの新方式

レベル補正パレット

入力・中間

入力・両端

出力

露光量パレット

(しんどくなってきたのでJPEGで…)

露光量

オフセットプラス

オフセットマイナス

ガンマ減らす

ガンマ増やす

合わせ技

おまけ・カラーバランス

中間調(RGB)

シャドウ(RGB)

 まとめ

各色調補正パレットの変動量はかなり微妙なものです。これくらいの量で基本、十分だと言えます。明るさ・コントラストパレットでコントラストを上げた時の、トーンカーブの変動量の少なさが特徴的ですね。

(そもそもトーンカーブってマウスでぐりぐり動かすものじゃないと思うのですよ…キーボードで…参考

これらの役割は、「適正な縛りをかけたトーンカーブ」と言えるでしょう。

これらのパレットでの調整が、トーンにどういう影響を与えているのか(カーブを描いているのか)を知ることで、より補正への理解が深まるんじゃないかと思います。


CMYKラヴな方へのRGB補正のすすめ(追記あり)

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いいわけ

印刷関係の方とお話していると、「とりあえずCMYKでないと感覚が掴めないよー」という方が多いかな、という印象を持ちました。WEBの人や合成大好きな方には今更なのでしょうが、ここではRGBでの補正を簡単に説明しようと思います。異論反論たくさん出ると思いますが、これをきっかけにRGBで触って慣れてもらえれば、というエントリですのでお手柔らかに。入ったJPEGをまずCMYK分解してから補正するぜ!な方向けのエントリです。

なぜRGBか

フィルタが全部使えるぜ!とかいろいろ利点はありますが、印刷業に限って言うと

きちゃない写真をいじくるのが楽になる!

とりあえずものは試し、同じ写真(暗いやつ)のCMYKとRGB版を用意して、トーンカーブで明るさをぐいぐいっと変えてみるとすぐに分かります。必要な明るさになったらシャドウを比べてみてください。CMYKだとシャドウ部の修正が、それもチャンネル毎に必要になってきますが、RGBではグレーバランスはたいして変わってません。

それぞれのモードで、トーンカーブを使い指先が同じ明るさになるよう調整したもの(コントロールポイントは中間に一つ)

入稿されてくる写真で「ちょっといじるだけでOK」なもの、ってどれくらいありますか?大抵は暗すぎたり明るすぎたり、iPhone4あたりで撮った野外の写真は無茶苦茶なコントラストだったり、色被りは酷いわどうたらこうたらで「大幅に修正」しないといけないものが多いのではないでしょうか?

そういうとき、たとえ元がCMYKであってもAdobeRGBに変換してから補正すると本当に楽ちんきわまりないです。

(CMYK→Adobeでも色域が削られるー!とかもうそういうレベルの質の写真の話じゃありませんので今回…w)

グレーバランスを作りやすい!

CMYKモードと違い、RGBではグレーはRGB各色等量です。RGB各227ならCMYKでは13/9/9/0(AdobeRGB/JapanColor2001Coated)、全域にわたって「シアンちょい多め…」とか、考える必要全くありません。プロファイル変換にお任せしましょう。

インキ総量を制限できる!

プロファイル変換でJapanColor等に変換かけるので、RGB各0、の真っ黒でも変換すればインキ総量350%以下になります。CMYKでインキ総量を気にしながら無茶な補正をかけるめんどくささにはおさらば。

いいんじゃない?

いいかげんに見えますが、それなりの質をそれなりに速く仕上げられます。

厳密な印刷向け補正をやるなら話は違ってきますが、きちゃない元データを速くきれいに上げるなら、こっちの方が断然、楽。きちんとキャリブレーションされたモニタで補正するなら、RGBの方が直感的だと思います。

あ、印刷向けにシャープネスかけるなら、CMYK変換後にアンシャープの方がすっきりしててキレイかな。これだけはCMYK後に。

やってみよう

これをいじくりましょう。食いかけのコメダ珈琲のシロノワール…すいませんいいのが無かったんで…

今回の目標は、雰囲気残すとか一切考えないで、被りを問答無用で取る。少し明るくする。これだけ。今回細かいところは触りません。

まずはAdobeRGB

元データがJPEGで来ていて、sRGBならそれでもいいんですが、ここはPhotoshop編集メニューの「プロファイル変換…」からAdobeにしちゃいましょう。開くときに作業用スペースに変換でもいいです(作業用スペースがAdobeならば)

白・黒・グレーバランスを取ろう

CMYKと一緒ですが、違いは後でJapanColor2001Coated(指定があるならそれで)プロファイル変換かける点。従ってとりあえず「潰れるなー」は考えなくていいです。RGB各0の黒でも400%にはなりません(RGB255の白は飛びますよもちろん)

調整レイヤーでトーンカーブをのっけましょう。

他の調整レイヤーでもいいですが、とりあえずトーンカーブ(参考→Photoshop・色調補正パレットとトーンカーブの関係をGIFアニメで。

飛ばしたい白や黒いところを確実に探すには、

黒・白それぞれをOptionキーを押しながらドラッグで、

こんな感じで飛ぶところ、潰れるところを見ることができます。左が潰れるところ、右が飛ぶところ。これCMYKモードじゃできませんから。

今回は簡単にこの三点でバランスを取ります。

では。

本来まっちろけに飛んでいて欲しい「白」部ですが、この写真では色が入っちゃってます。R255/G252/B246 なのでとりあえずRに揃えてGBを上げちゃいましょう。ここが等量なら当然動かす必要はありません(だいたい中間調だけで間に合います)

トーンカーブレイヤーを選択しておいて、

まずOption 5を押してBチャンネルに移動します。

キーをぽんぽんと叩いて、ハイライト側のコントロールポイントへフォーカスを移し

そのまま、カーソルキーをぽんぽん叩いて、ブルーを増やす方向へ持って行きます。

(注:上の数値は皿の白で、あとで「グレー」としていじるところの数字です)

数字が同じ(±1くらいはいいか)になるように持ち上げていきます。CMYKの値はプロファイル変換後なので今は無視。

同じようにGチャンネルも持ち上げて255になるようにしましょう。飛ばしたいのですから多い方に合わせます。

ちなみにShiftキーを押しながらカーソルキーを叩くと大きく変化します。参考→トーンカーブパネルのショートカット

同じように「黒」部も数字を合わせてください。この時、トーンカーブの角度が急になってしまうと全体のコントラストも変わりますから、黒は多い方に、できるだけトーンカーブが平行に動くのを基本とし、それじゃ合わないという場合をイレギュラー扱いしていた方が方針が早く定まるかと思います。

次は中間調を動かしてグレーを作ります。

皿のフチ部分を白くしたいので、ここで数字を合わせましょう。

「グレー」部分は R216/G170/B137 です。こっちは多い方に合わせましょう。

皿のフチ、という目標があるので、

最初から選択されているドラッグ調整ボタン、これで皿の縁をクリックして、中間調部分にコントロールポイントを作りましょう。ドラッグしちゃだめですよ。くれぐれも。

キャッチ・シャドウ部と同じように、カーソルキーを使って、またシフトキーも併用して、各チャンネルの数字を合わせてください。

(トーンカーブがえらいことになってますが、これだけ動かしてもCMYKでの調整より破綻が少ないので余計なことを考えなくて済みます。きちゃない画像に最適、という意味が分かる瞬間かと)

全部揃えたら、Option 2キーを押してRGB全チャンネルへ戻ります。

少し明るくしたいので、中間にコントロールポイントを打ってカーソルキーで持ち上げます。

最終的にはこうなりました。

画像はこうなりました。

まだまだまだまだ動かしたいところが(たくさん…(; ・`д・´))ありますが、とりあえずのRGBの感覚は掴めたのではないでしょうか。

各チャンネルの動かす方向は、

こんな感じのを作って見える所に貼っておくといいと思います。

CMYKにしよう

ではプロファイル変換でJapanColorCoatedにしましょう。

その前に、コマンド シフト Yキーを押して色域外警告を見ます。

黄色(デフォルトから変更してあります)がJapanColor2001Coatedでは再現できないところ。でもまぁ、少ない、かな?

少ないと見なしてレンダリングインテントを「相対的」で変換しましょう。

モード変換ではなく、「編集」→「プロファイル変換」を選びます。よく使うのでキーボードショートカットでも割り当てておくといいと思います。

変換後のカラースペースをターゲットプロファイル、JapanColor2001Coatedにし、

マッチング方法から「相対的な色域を維持」を選択します。デフォルトは「知覚的」になっています。

そのうち作った資料を公開しますが、これらの違いはめっちゃ簡単に言うと

  • 知覚的
    色域外警告された部分以外の、本来CMYKに収まる部分も全て見た目の色を変更する。グラデーションの滑らかさ優先だが、全体に彩度が落ちて濁る。 
  • 相対的
    色域外警告された部分のみ、色を動かす。警告されていない部分は見た目そのまま鮮やかさが残る。 

です。先に色域外警告を見たのは、これのどれにするかを検討するためでした。写真の主題にかぶさる警告が少なければ相対的を選んだ方が上がりがキレイです。(20121007追記:相対的で変換する場合、「黒点の補正を使用」オプションは入れたままにしておいてください。黒点の補正をしないとシャドウが切り捨てられ、潰れます)

でも、全部知覚的でも(こういうきちゃない写真なら)それほど問題はありません。一緒でも構いません。

これで、OKを押してCMYK変換します。この後アンシャープマスクを適度にかけて完成です。

アンシャープマスクは、画像補正の最後の一押しです。見た目コントラストが無いな、と思っていても、シャープネスを上げるとずいぶんと印象が変わって見えるものです。

お疲れ様でした!

まとめ

今回は数値を基本に見ていただきました。というのも一番感覚として「グレー」が等量というのがRGB補正のメリットとして分かりやすいかなと思ったためです。

あとはキーボードショートカットを多めにしてあります。DTPerなら好きなはず…

キャリブレーションされたモニタと環境があれば、RGB補正はお手軽補正を目視で、数値を補助に行えます。見た目を信じられる「カラマネ環境」とできればセットでやってみてください。

もうひとつ、普通にきれいな画像であれば、上のような極端なことはせず、それぞれの中間調を「カーソルキー一回押し」程度ですぐに補正できます。その際にもCMYK補正よりも楽だと思っていますが、ここは経験豊富な方で。

とにかく、RGB補正は「きちゃない写真に有効」

これだけは声を大にして。

一度お試しください。

もう一つRGBな理由(20120930追記)

トーンカーブが大山になるほど、大幅に調整する必要がある画像の場合…上のサンプルのヒストグラムを比較してみましょう。

左:RGBで補正し、CMYK変換したもの

右:CMYK変換し、「左」と同じように見えるよう補正したもの

一目瞭然。

熟練のスキャナオペが、

RGB(透過・反射原稿)→調整してスキャン→綺麗なCMYKデータ

としていた流れそのまま、

RGBデータ→調整して変換→綺麗なCMYKデータ

…こういうことだと思います。なので、大幅調整が必要なもの以外でも、元がRGBならいきなり分解せずRGBのまま調整するのが自然な流れですね。

もちろんその先の、一旦印刷されたorプルーフ出したCMYKデータは、一度確定したものの再調整ですからCMYKの網を調整します。

印刷会社の中の人でない方が用紙と印刷を想定し、ドットゲインカーブをイメージしたり発色を調整できるか、と言うと、それはちょっと無理です。なのでプロファイル変換に全てお任せする方向が、作成者の意図を伝えるという意味では自然。問題はターゲットとなる印刷機と膨大な数の用紙に合わせたプロファイルがまずこの先も提供されないだろう…ということで…となると、JapanColorプロファイルという出來の良い汎用プロファイルを当てにして、その後は印刷会社から出された、「定着されたCMYK」、色校正を叩き台に調整していく流れは当分、変わらないんでしょうね。

CMYKラヴな方へのRGB補正のすすめ2(ダメ押し編)

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CMYKラヴな方へのRGB補正のすすめの続きです。

ダメ押しにやってみる

この画像を色被りさせた、

この画像から色被りを取ります。

CMYKでやってみる。

デジカメのRGBデータを「いきなりCMYKにして補正しようとすると」こうなります。

実際にやってみてください。JapanColor2001Coatedにしたデータを用意しました。
sampleCMYK.zip
jpegですが、4C分解されています。正しく表示できないブラウザもあります。Photoshopで開いてください。

簡単な絵柄ですからまず試してみたくなるのが自動補正のスポイトですが、

うまくいかないと思います。スポイトだけではこの画像の色被りは取れません。

そこで、数値で合わせていきます。

無茶苦茶ですね。画像はこうなるはずです。

白と中間のグレーはなんとか合いましたが、他の色は無茶苦茶です。さらにマスクワークを使った色調補正が必要になってくるでしょう。

実にめんどくさい…

試しに色被りしていないRGBをCMYKに変換し、同じ色被り状態にした上で補正すると、ほぼ元の印象を復元できます。

つまりCMYK分解する際にこの回復不可能な劣化が起きているのです。

色被りした、色相が狂った状態で、AdobeRGBやsRGBからCMYKへ真面目に色域圧縮されてしまっているのです。本来グリーンからCMYK色域内のグリーンになるべき色等々が、青も緑も全て色被りのアンバー側、上図の右下側に固まってしまったため再現不可能な状態までトーンが減ってしまったのです。

つまり、色被りした状態でCMYK分解すれば、必ず必要以上に劣化します。

では、RGBで。

色被りしたRGBデータはこちら→sampleRGB.zip

RGBでやる場合は簡単です。

自動ツールを使ってもうまくいきますが、ここは数値でやってみましょう。前回と同じように、白地部分がRGB255/255/255になるように、また中央のグレーがRGB等量になるように各チャンネルのハイライト側コントロールポイントを動かします。

結果、こうなります。

各色の階調は減っているはずですが、単色のため分かりません。ほぼ元通りです。これをJapanColor2001Coatedにしても、

くすみはしますが、印象はほぼ保たれます。

結論

RGBデータは最後の最後まで変換せず補正しましょう。

WEBや写真の方は何を今更と思われるかもしれません。しかし印刷業界ではCMYKの、呪縛、と言ってしまいますが、これが非常に重いのです。入稿データを全てバッチで分解してから補正するようなフローも実際にまだありますし、CMYK値というわりと確実に手応えのある数値に慣れ親しんでいる故にそこから離れがたい雰囲気があったりします。これからでもいいから、みんなで幸せになろうよ!というエントリです。

Photoshopグレースケール・印刷向けのグレースケール画像のつくりかた・印刷について編

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Photoshop・これからのグレースケール画像のつくりかた | やもめもの続きです。

モノクロ画像補正に関わる印刷のはなし

やっぱり印刷されるものなので、ここは外せません…めんどくさい文章が続きますがおつきあいくださいマセ。囲み部分と小さい文字部は細かいことなんで読み飛ばしても結構です。

濃くなる要因のひとつ、ドットゲイン

ドットゲイン…指定した網%に対して、紙上でどの程度データ≒CTP版、フィルムに対し太って「見える」か。

オフセット印刷では、インキの受け渡しをする際にどうしても押しつけ合わなければいけません。版からブランケットへのインキの受け渡し、ブランケットから紙(圧胴)への受け渡しでインキは潰れ広がります。ちなみに最も広がるのは版—ブランケット間です。これを物理的(機械的)ドットゲインと言います。

(※版—ブランケット間は、胴仕立で相当変わります。ブランケット—圧胴間はほぼ用紙の種類によって決まります)

もう一つ。印刷用紙は光が透けて見えますね。透けない紙でも、用紙の内部までは光が入り込みます。印刷された網点自体やその周辺から光が回り込み、網点の色を拾って表に反射して出てきます。この時実際の網点の大きさよりも大きく、濃く見えます。これが光学的ドットゲイン。網%にもよりますが物理<光学です。これはルーペで覗くと逆に分からなくなります。

これは無くすことはできませんし、無くなると困るものでもあります。必要悪、というよりオフセット印刷の特性です。印刷が下手だから太る、というわけでもありません(下手だと必要以上に太ったあげく濃度が薄くなったり、網の形が大きく崩れたりしますが、ルーペで覗けばすぐ分かりますし今は酷いのはあまり見かけなくなりました)

さらに詳しくはこちら、[9017][用語]【ドットゲイン】【Dot Gain】 | DTP・印刷用語集 または検索を。

だいたいこんな感じのカーブになり、中間調が濃くなってきます。(CTP、175線スクエアの場合…ちょー適当ですが)

dotgain_curve

ドットゲイン15%、というと普通は50%近辺の最大値を指します。15%はオフセット175線コート紙に対して正常な数値です。

(※ちなみにJapan Color標準印刷認証ではドットゲイン値は14%±3%とされています(コートの場合))

これが印刷条件で変動しまくります。

その一つ、印刷用紙による違いを。

コート紙に刷った網…同じデータを、
20130221_204002165
上質紙で刷るとこうなりました。
20130221_204009172
大きさ違いますね。濃度も違います。

(これは拡大しているため分かりませんが、光学的ドットゲインが効くため離れて見るともすこし濃い印象です)

中間調により影響が出るため、トーンカーブで中間調を暗くしたようになっていきます。

どれくらい変わるかを一例でお見せします。

このようなデータを作りました。左:ドットゲイン15%で作成、右は30%です。(作成時Photoshopでは30%でも15%でもカラーマネジメントが効いていて見た目は変わりません)

↓二つをつなげたデータです。これを印刷します。210線カラー混在(プロセス墨)オフセット印刷です。

grayimg_1

↓コート紙に刷ったものを撮りました。ほぼ作成時の意図通りに再現できています。このコート紙では(また、この印刷機・線数等の印刷条件では)ドットゲイン15%設定で問題無いことがわかりました。

grayimg_2

↓同じデータを上質紙に刷ったものです。15%のデータでは着物の皺が全く再現できていませんが、30%設定のデータでは違いが分かります。この用紙・印刷機(印刷条件)では、ドットゲイン設定は25%から30%は無ければ苦しいことが分かりました。

(線数が210線と少し高いため、ドットゲインの影響は175線よりも強く出ます。インキが潰されて広がる幅はどの線数でも一定なので、より線数の低い方がドットゲインの影響は少なくなります)

grayimg_3

ドットゲイン設定はカラープロファイルの設定同様、印刷条件に合わせて設定したほうが良い、ということがわかります。

(…この設定を固定し、経験で用紙に合わせた補正をすることも運用上はありえますが、せっかく用意されているのですから使わない手はないでしょう。)

15%でも30%でもPhotoshop上で見た目は変わりませんから、変換先を意識せずある程度見た目を作り込むことができます。

ただし、当然ですがドットゲイン設定ではシャドウ、ハイライトの設定は行われません。例えばJapan Color 2001 Coatedをカラー画像に適用すると、自動的に総インキ量が350%以下に抑えられますが、ドットゲイン設定ではRGBブラックは常に100%ベタになります。これは補正する必要があります。後に説明します。

どんな用紙に刷るのか全く分からない場合もあるでしょう…どうしても分からないときは、15%設定にてハイライト中心に作り込む、変換前提でRGBのまま渡す等々逃げ道は…あることはあります。ですが、もし印刷会社の中で変換しているなら作業者へ用紙の、最低でも塗工紙・非塗工紙かの情報と刷られたものをフィードバックする…これだけでもずいぶん変わると思うのです。

コントラストが弱まる原因、濃度レンジ

上の画像でも分かりますが、上質紙等に刷る場合最大濃度が落ちてきます。

アート紙の90%網

アート

上質紙の90%網

上質

単純にベタの濃さが違います。

レンジ

1がアート紙での0〜100%の濃度範囲とすると、上質紙などは0〜100%を指定しても2の濃度範囲しか得られず、この狭い領域で勝負しなければなりません。

つまり視覚的に、濃度差が感じられにくくなるため、よりコントラストを意識してつけてやる必要が出てきます。そして、画像によってコントラストを付けるべきところがハイライト側か、中間か、シャドウ側かは変わるため一点一点、本来は補正すべきです。

紙白の白さ、ベタの黒さは環境光でかなり変動します。特に紙の白は、太陽光下と色調評価用蛍光灯下では紫外線の量の違いにより、用紙中の蛍光物質の有無で異なる光源下では白さがまるで変わって見えることがあります

補正が難しくなるもう一つの要因、網の荒れ

先の網点拡大画像、気づきましたでしょうか。網の形がバラバラだったのを…

わかりやすくもっと拡大してみましょう(100倍に拡大)

IMG_2926

これは上質紙に刷られたものです。この網点は本来丸いのですが、紙の繊維の凸凹に沿ってランダムに歪み、各点の大きさが変わっています。つまり網%が点毎に変わっています。ちなみに、この印刷はわりときれいな部類に入ります。

すると全体にノイズをかけたようになり、濃度レンジが圧縮されることと相まって、さらに濃度差がわかりにくくなります。

先ほどの着物写真の一部で見てみます。

↓元データの着物のしわ部分。しわの山(70%〜)と谷では10%近い濃度差があり、コート紙に刷ったものではこの通りに再現されています。

obi1

↓上質紙ではぼんやりとして、「言われれば分かる」程度になってしまっています。

(画像ではわかりにくいのですが、網点がベタにまで潰れている箇所はありません。網の目はあいています)

obi2

もしこの着物部分の濃淡が大事なのであれば、よりコントラストをつける必要がある、ということです。

上質紙の例を出しましたが、この荒れは上質でなくても起きます。

ユポ

90%網部の拡大です。ベタ濃度はコートとあまり変わりませんが、網の抜けが不規則に埋まっているのが分かります。

これはユポに刷ったものです。通常の水ありのオフセット印刷では、インキと水のバランスが崩れるとすぐに網が荒れたり、最大濃度が下がったりします。ユポは水を吸わない紙なので非常にバランスを取りづらい、つまり刷りづらく網の荒れやすい紙です。上質紙以外でも、紙によって、また印刷が原因での荒れが起きます。

正常なドットゲインと、用紙表面形状や印刷の不具合等の外乱で起きる網点形状の崩れを「荒れ」として分けておきました。実際これらは対処方法が違うため、トラブル時には分けて考えます。

シャドウ・ハイライトそれぞれの設定

どう設定すればいいかを考えてみましょう。

シャドウ側

写真画像では、最も暗いところを100%ベタに設定せず、網点が潰れる少し手前を最大濃度とします。

ベタが階調に入り込むと唐突な感があり、かなり違和感のある仕上がりになるからです。

スキャン

またベタ部〜潰れる最大%までの2%〜10%程度の階調レンジを捨てそれ以外の98〜90%で階調表現することで、不安定な要素を排除できます。階調があっても潰れてしまったら意味がありませんよね。

これはコート、上質問わず上手く使えそうな時でなければ、避けた方がいいでしょう。

網点が潰れる限界は、グラデーションの刷り物などをルーペで観察して確認してください。扱った仕事のデータと刷り上がりを比較しておきましょう。

コートなら98%程度を最大濃度とし、上質では90%程度にするのがこのサンプルでは適当なようでした。もちろんこの数値はこのサンプルに限った話で、用紙や印刷方式(特に線数、版材…ダイレクト版など)、印刷技量で変わります。

(今回210線という少しだけ高めの線数なので、限界値が少し低いのです。133線、150線なら上質でも+5はいけるだろうと思います)

レンジ2

1がコートの濃度レンジ、2が上質の0〜100%の濃度レンジとすると、最大網%を絞るために濃度域はさらに狭くなることになります。

ハイライト側

ハイライト側は、用紙表面の凸凹に対し網点自体が小さくなるために、

IMG_2926

先ほどの「荒れ」の影響が強く出てきます。

コートではっきり刷られている5%網点が、

ハイライト4

ハイライト1

上質紙では用紙表面の影響を強く受けがさがさになっていきます。

ハイライト3

ハイライト2

光学的ドットゲインの影響もあるので、離れて見るとそれなりに出ているように見えます。

(実際にはCTP版オフセット印刷では、上質・中質であっても、3%程度の網点は印刷されて出てきます。全く消えてしまうことはほとんどありません。よっぽど悪い紙でない限り、CTPオフで3%が消える印刷は相当まずいと思います)

しかし、出るとは言え小さい網点を使うハイライト側はより荒れて見えやすいために、上質などでは濃淡の表現がし辛いことが分かります。

これらを踏まえて

上質や印刷向けにどうモノクロ補正をするかを、また長くなったので次の記事で。

…印刷物の網が潰れている、荒れている、等の印刷結果をしっかり見るためには、ルーペが必要です。

網点の観察に最適かつ手持ちで気軽に見られる倍率は25倍〜50倍、まずは25倍、また観察対象が自分の影で暗くなりにくいペン型をお勧めしています。

Photoshopグレースケール・印刷向けのグレースケール画像のつくりかた・ネタ編

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箸休め・一発ネタ

ネタです。
ネタですよ?

グレースケール画像でよくあるのが、全体に暗かったりコントラストがおかしかったりするものです。大抵は、元画像に手を入れずに単純に「モード」→「グレースケール」にしてそのまま、というもの。

これが…

03

こんなんなってませんか。お姉さんがかわいそうです。

01

RGB画像を「イメージ」 →「モード」→「グレースケール」にしただけ。

02

ヒストグラムを見てもどうにもこうにも暗いですね。

で、お約束のお手軽一発補正です。CS5以降。

グレー変換のみのバッチ処理でやってるところがある…と聞いて…それならまだこっちの方が…という。

ただまぁ、色域広いところからグレーに落とし込むんだからあまりズレてはいない…結果がどうあれ…

06

RGBの段階で、HDRトーンを選択し、

07

「ヒストグラムを平均化」を選択してOK。

04

こうなったのを…「モード」→「グレー」にすると…

05

ちょっとはマシ。うん、ちょっとは。

プラス、レベル補正やトーンカーブで出力シャドウ側を25とかしとくといいんでないかな。シャドウ潰れるんで。

05-2

アクション登録してバッチ一発…で…

(え?アクションもめんどくさがってやらないっぽい?知らんわ!w)

HDRトーンはメニューから選択するとアクションに内容が登録されないので、スクリプトでやりましょう。プリセット中のスクリプトHDRToning.jsxを呼び出し…え、どうするの?

Adobe Community: CS5: Macro for HDR toning.. Bug?で先達が書いていてくれました。ちょっと改変して使いましょう。

二行目の

//@includepath "/c/Program Files/Adobe/Adobe Photoshop CS5/Required/"

のパスをマカーは

/Applications/Adobe Photoshop CS6/Adobe Photoshop CS6.app/Contents/Required/

に書き換え、ちょっと下12行目の

hdDesc.putInteger(  kmethodStr, 3 );

の3を2に書き換えます。

(2はhistogram平均化。/Applications/Adobe Photoshop CS6/Presets/Scripts/Stack Scripts Only/StackSupport.jsx中に番号対応書いてあります)

保存してMacならアプリのあるフォルダ内→「Presets」→「Scripts」へ。これでアクションでダイアログ無しに使えるようになりました。

適合する画像では「何もしないよりはマシかも?」な結果が得られます…当然ですが、この方法を使ってどんな損害を受けても当方一切知りませんから。

(グレー化したものにはやる意味がありません。…ちなみに同じ色調補正メニューの一番下、「平均化(イコライズ)」は違いますよ!)

色調補正の一手法として使う、というのもアリですねん。Scriptでアクションに登録できるようになったことで、ちょっとだけ「試してみてもいいかも?」な手法になったかもしれません。たぶん。

 

真に受けてこれでバッチ処理するくらいなら、Colorgenius DCC-Fitなどの導入を検討した方が絶対に幸せになれますよきっと。

一発グレーというよりHDR関係のJavaScriptネタですね…そうしよう…

Photoshopグレースケール・印刷向けのグレースケール画像のつくりかた・ドットゲインとアンシャープマスク編

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Photoshop・これからのグレースケール画像のつくりかた
Photoshopグレースケール・印刷向けのグレースケール画像のつくりかた・印刷について編
の続きです。

Photoshopのドットゲイン設定をもう一度

全ての基本、グレー変換のカーブを、各種ドットゲイン値で比較してみます。
前回の「印刷について編」のおさらいです。
つらつらと図を見てみましょう。どれくらい設定で違うのかを比較します。

grayCurves

PDF版:http://d.pr/f/wxHp

(ドットゲイン設定を変えて、グレー値→Lab/L値を取りました)

(このグラフを書くためのJavaScript作成にあたって、@AJABON さん、 @chalcedony さんに大変お世話になりました。いつもありがとうございます) 

メインのカーブは青い引き出し線のもの。縦軸のL値を「見た目のあかるさ」と読み替えてください。

Photoshopは、画面上の「見た目のあかるさ」≒印刷された時の見た目の明るさを維持するため、ドットゲイン設定により網%を変えていきます。

カラーマネジメントが効いていますから、見た目は変わらずに網%だけが変わります。刷られた時点でどうなるかをできるだけシミュレートして表示しています。シミュレーションの基準になるのが、ユーザが任意に設定する「ドットゲイン設定」です。

ドットゲイン設定15%ではあかるさ50のグレーを67%の網で表現していましたが、

ドットゲイン設定30%では網の太りによって濃くなりすぎてしまうため、同じ明るさを(ドットゲイン30%の印刷で)表現するために52%の網にまで落としています。

grayCurves2

15%も違いますね。前回印刷編で見たように、ここはできるだけ印刷条件に合わせてあげないと、画面上では変わって見えてないためまさしく予想外の印刷結果になってしまいます。

シャドウ部、それぞれのドットゲイン設定でカーブが寝はじめるところが違いますが…

grayCurves3

「シャドウが潰れはじめる%」を、だいたいこのあたり、と見当つけておくとちょうどいいんでないかな、と。

線数・用紙にかなり左右されるファクタですが、判断材料にはなりますね。

下は参考程度に。

ガンマ計算

印刷で印象を再現するために

前回の印刷編でこんな図を出しました。

レンジ2

上質など印刷再現性がコート・アートに対し劣る紙や、印刷機などの条件によっては印刷で再現される濃度レンジがこれだけ圧縮される、という図です。

ドットゲイン設定だけではなく、こういう場合潰れるところ、飛ぶところの制御を自分でやらなければなりません。

トーンカーブで表すとこうなります。

tonecurve1

シャドウの端点を持ち上げて最大濃度を制限し、ハイライト端点を下げて網を入れています。

ところが、このままではカーブが寝てしまうため、コントラストが「全体に」弱くなってしまいます。

つまり、ここで「階調圧縮」をしなければいけません。具体的には、ハイライト側もしくはシャドウ側どちらかや中間調を立たせたりS字カーブをとるなど、画像の主要な部分のトーンを生かすために捨てなければいけないトーンが出てきます。

ドットゲイン設定によって、階調圧縮のメインとなるカーブは既に作られていますが(前出のグラフを参照してください)、シャドウ側、ハイライト側に気を使って処理するために(特にシャドウ端点を持ち上げたために)さらにコントラストをどうつけるかを人間が考えなければいけない、ということです。

コート紙に高品位なグレースケール印刷をするのであれば濃度レンジをほぼいっぱいに使えるのでこの点、制限は少なくなりますが上質・中質等に高い線数で刷る場合などなどなど、シャドウの潰れを意識しなければいけない印刷では「濃度レンジ」と「コントラスト」をよく考えて補正をする必要があります。

とは言っても難しいことではなく、きちんとドットゲインを設定した上でPhotoshopシミュレーションの見た目を信じて良い感じに補正すればいいだけのことですが、レベル補正等で単純に足切りをするのは上のトーンカーブと同じことをしています(参考→Photoshop・色調補正パレットとトーンカーブの関係をGIFアニメで。 )ので、その点を意識して補正するといいでしょう。

もう一つ大事なこと・USM

カラーでもモノクロでも、印刷用画像の仕上げに「必ず」「なにがあっても」かけなければならないUSM(アンシャープマスク)

コントラストにも影響する、非常に重要な「色調補正の最後の一押し」です。

デジカメからのJPEG画像には既に弱いシャープがかかっているため、フラットベットでの紙焼きスキャンと違って画面上でかなりシャープに見えていますが、それだけでは足りません。

必ずUSMをかける理由

全くシャープを効かせずに網点化するとどうなるかを見てみましょう。

下の画像を、RIPにかけ100線で網点化します。

usm1-ori

usm1-non

…手すりの太い支柱部分などをよく見ると、全ての網点が規則的な形ではなく画像のコントラストの強いエッジに沿って変形しているのが分かります。

逆に手すりの装飾部分は全く拾われていません。

USMをかけたものも同じように網点化します。

半径1.5、強さ300のかなり強いUSMをかけました。

usm1-15300

usm1-15300rip

柵の装飾がより「拾われて」いるのが分かります

もう一度全くシャープネスをかけない画像と見比べてみましょう。

usm1-ori

より印象に近いかと思います(ちょっと強すぎますが)

網点化される際には、濃淡の差の大きいもののエッジが拾われ、網点が変形し、より細部を描写しようとします。

USMは全ピクセルを走査して、近くにある(半径)ピクセルとの濃度差をより強調しようとします(強さ)

(その時「しきい値」で指定した濃度差以下だと処理をスキップする=シャープがかからない)

画像細部のコントラストを強調し濃度差をつけているため、より網点化される際にエッジが拾われやすくなります。

USMのかかりかたを見てみましょう

この画像に、分かりやすくするために強烈にUSMをかけました。

usm1

こうなります。

usm2

濃淡の差の大きいエッジほど、効果が強くかかっていることが分かります。その効果は、隣り合う薄い方をより薄く(白に)、濃い方をより濃く(黒に)しています。グレースケールの40%、60%部の効果もほぼベタとヌキになっています。

つまり、より網点として拾われやすくなります。

画像細部に強くかかれば、実質2値に近いコントラストになることも分かります。またUSMをかけると100%ベタが現れるため、効果を生かすためにシャドウを例えば95%〜程度に抑えてトーンレンジにベタを入れない理由でもあります。

もう一つ注意点…

RGB・Lab以外での8bitモード・CMYK、グレースケールでUSMをかけると、効果範囲以外にノイズが入ります。

usm3

これは強くかけているのですぐに分かりますが、弱めにかけても入っています。16bitモードならこのノイズは入りません。普段は気にするようなものではないのですが、気にするような仕事の時思い出してみましょう。

線数との関係

「拾われやすさ」は線数によって変わります。単純にサンプリングの細かさです。

半径1.2pixcel、強さ120で100線の場合

usm1-100-12120

同じ画像を210線にした場合

usm1-210-12120

100線ではこのUSMの強さでは、シャープ処理をしないものとあまり変わりません。210線では見る限り充分に効果が現れています。

同じ強さのUSMですが、この二つは印刷しても同じ印象には見えません。

細部を表現したい場合、線数が高ければ、無理に細部にコントラストを付けなくてもよい(強いUSMをかけなくてもよい)…逆に言えば線数が低いなら強めにかけなければ効果がない、ということです。

Photoshopでシミュレーションしよう

わざわざRIPにかけなくても、Photoshopの網点化を使って「どうなるか」を見ることができます。各社のRIPでの網点とはよく見ると微妙に形状が違いますが、本当に微妙な差だし(開発している方に怒られそうですが。網点のどこからドットを増やすかに違いがあります)

「モード」から「モノクロ2階調」、出力解像度2400dpiとして「ハーフトーンスクリーン… 」を選択し、

halftonedialog1

角度45度、形状円で線数を入力します。

halftonedialog2

どれくらい「拾われる」のか、「荒れる」のか(後述)をお手持ちの画像で試してみてください。

(※100線45度ですから、50%のスクエアになった網点の縦横pixcel数は17pixcelになります。24pixcelでなく→ ⊿ の斜めが24pixcel分)

とは言っても限度がある

USMはエッジを強調するために、隣り合った薄い方はより薄い輪郭(=ほぼ白)に、濃い方はほぼベタにします。強いUSMをかけることで画像に悪影響が出る場合も多くあります。

下のような画像を100線で印刷するとして、強いUSMをかけると…

a0002_010973_m

濃淡のある細い線のフチが白黒のエッジに変換されるため、中間調が失われていきます。

SS-2013-04-05-11.49.52

青いヒストグラムが元データのもの。白黒のエッジが生成され、細い線が圧迫されるため結果的に中間調が減っていきます。

(ヒストグラムの両端(白・黒)のピクセル数が激増しています)

usm4

青枠<赤枠でUSMを強くかけています。

赤枠の方は、繊維のフチが太くなっていくことで内側の網点が結果減っています。

この画像には元々、細部にコントラストがついているため、それほど強いUSMをかけなくても網点化する際にきちんと拾われます(網点が変形してエッジを形成します)

このような画像の場合、細部を強調しようとして強いUSMをかけると結果画像が荒れていきます。

USMの強さは画像によって変わる

  • AMスクリーンでは網点は画像のエッジをできるだけ拾うため、網点自体が変形する
  • AMスクリーンでは線数によって細部の出かた=エッジの拾われやすさが違う
  • USMは画質を向上させ(シャープにし)、同時に劣化もさせる(トーンを置き換える)
    • 最適なUSMは画像によって異なる

以上を勘案しつつ、できれば画像毎にUSMは強さを変えなければいけません。

全て同じUSMをかけるとしても、全くかけないよりははるかにマシな結果になります。

…原寸で!

よく言われることですが、USMはできるだけ、原寸でかけないと意味がありません。

下は、USMをかけずに網点化したものと適切にUSMをかけ、100線で網点化したものを重ねた画像です。USMをかけたほうを赤くして違いが分かるようにしています(クリックで拡大)

usm11

エッジ部分に違いがあるのが分かります。

ところが、同じ強さのUSMをかけて25%に縮小したものでは、

usm10

網点化すると、USMをかけてない画像とほとんど違いがないことが分かります。

レイアウトアプリ上で極端に縮小すると、せっかくかけたUSM効果が網点化の際拾われず消し飛ぶ、ということがよく分かると思います。

※25%は極端だと思われるかもしれませんが、残念ながらこの程度は日常茶飯事です。

このシリーズ続けます…USMはなかなか調べていて面白かったので、機会があればFMスクリーンでも書いてみたいと思います。

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